●潮州名物料理>>> |
潮州料理は略称で「潮菜」と呼び、数千年の歴史がある。明代の末期と清代の始め頃、潮州料理は全盛期を迎えた。近代では、潮州出身の華僑の往来により、潮州料理は国内と海外美食の粋を汲取ることができ、料理の品数が更に豊富となり、しかも嶺南地方の特色に富む中華料理系の一流派になってきた。潮州料理の特徴は爽やか、パリパリし、あっさり、新鮮であり、フカヒレ、燕の巣、ナマコなど高級な海幸を調理するに長ける。また、調味料使いにも大切にし、香ばしさが濃く、材料も多い。薬味の組み合わせは巧みで、切り方も重んじる。しかも、盛り付けも見事である。
潮州の名物料理には、潮州焼雁鵞、潮州豆醤鶏、護国素菜湯、什錦烏石参、鴛鴦膏蟹、乾炸蝦棗、紅焼大排翅、水晶龍蝦、白灼大海螺、満園鮑菊、鯉魚躍龍門、金亀孵卵、芙蓉官燕、金筍雪蛤羮、橙汁鰻魚、玉盞蟹黄燕、千禧麒麟魚、茶香鶏などがある。
潮州の名物軽食には、鴨母念、潮州墨闘丸、潮州手捶牛肉丸、潮州春餅、高堂菜脯、姑蘇香腐、五香油橄欖(オリーブ)、梅花餃、上湯牛肉、金都牌咸菜皇、蓮香猪仔巣、糯米飯桃、咸水、錦綉雀巣、蘿ト酥、開元善素、香酥沙律巻、香酥鶏翅。 |
護国菜
薩摩芋の葉を主材料にしたもので、この料理に関する昔話もある―南宋の皇帝が戦時で南方へ逃がし、潮州のある寺院に着いたとき、お腹が空いて堪らなく、寺の僧侶はたくさんの料理で皇帝一行を招待したかったが、食材がないため、最後に後ろの庭で軟らかい薩摩芋の葉を一握り摘み、スープに作り上げた。それを食べた皇帝がこの料理に「護国菜」の名を賜った。その後、この作り方が町に伝われ、有名な調理師により発展され、名物料理になってきた。今では、この料理はシイタケとハムを副材料にし、煮直しスープで作り上げたものである。スープは緑色で、表面に油が見えるけど、油濃くない。 |
姑蘇香腐
老君堂の姑蘇香腐は最も有名。この料理は清代初期に、江蘇地方の呉県から来たある道士(道教修行者)が伝わってきたそうだ。呉県には春秋時代の呉国の王様に建てられた姑蘇台があるため、「姑蘇香腐」の名を得た。 |
鮮蚶(赤貝)
体が小さく、殻が取れやすく、肉がごく新鮮である。召し上がる際、赤ワインと一緒に楽しめば、味わいは更に美味しくなる。 |
潮州粥
潮州人が好むお粥の一品で、米が多く入れ、どろりと煮上がりしたもので、潮州では「糜」と呼ぶ。潮州人は潮州粥の作り方を重んじ、米と湯を決まりの割合で鍋に入れ、強火で煮る。充分に煮沸かしてから、火を消す。十数分置けば、香りのあるどろりとした潮州粥ができあがる。塩と玉子を散らし撒いた粥を「卵糜」と、豚肉または牛肉を入れた粥に「豚肉糜」あるいは「牛肉糜」と呼ぶ。 |
鴨母念
胡栄泉氏が作った「鴨母念」は最も有名。特徴:皮は歯につかず;餡の種類が豊富;スープの味はさっぱりである。もち米の皮を作るのは特に難しい。話によると、昔は上等な「海糯」を輸入したこともある。皮の作り方:まずもち米を洗浄する。それから磨き潰し、水分を取る。その後、よく揉んでから、皮に作るあげる。 |
生菜龍蝦
伊勢蝦、ハムの薄切り、トマト、玉子とコスイを食材にし、丹念に作り上げたもので、伊勢蝦は生き生きしていて、色も鮮やかで、肉は滑らかで軟らかく、美味しくてたまらない。 |
牛肉丸(牛肉団子)
香ばしくて軟らかい、弾力性もある。落ちたら高く跳ね返られるものは上等である。 |
●潮州功夫茶>>> |
基本特徴:小さい急須と小さい湯のみで烏龍茶(ウーロン茶)を楽しむ。また、茶葉、茶具、茶湯を大切にする。お茶の飲み方として、「功夫茶」の三文字と「潮州」を正式に繋がった文献は、清代の「夢厰雑著」である。当時、功夫茶はも盛んになった。今になると、潮州のどの家庭にも茶の具を持ち、功夫茶を飲むことは潮州人の生活に不可欠なものになってきた。「食事は三日間しなくてもいいが、お茶は一時なければ困る」との言い方さえもある。潮州の民俗風情もこの功夫茶で伺えられる。
いいお茶を作るには、上等な茶葉を用意しなければいけない。潮州功夫茶はウーロン茶をよく使い、そのうち、鉄観音は特にである。ほかには、黄枝香、大紅袍、水仙なども利用する。茶の具は宜興の紫砂急須が最適である。水に山泉水は最も良く、つぎはミネラルウォーターである。後は茶の沸かし方も重要である。潮州功夫茶は沸かし方と技法が最も肝心であり、それを楽しむコースは下記通りである。 |
ステップ1:温杯洗罐(茶具を温める)
「治器」とも言う。火付けして、十数分経つと、水が沸かし始め、「魚眼水」(95℃−98℃の水)が出来、やかんを取り上げ、急須と湯呑みを洗い、消毒する。
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ステップ2:引龍入宮(茶の葉を入れる)
「納茶」とも呼ぶ。茶の葉を太いほうと細いほうに分け、太いのを急須の底と注ぎ口に詰め、細いのを真ん中に入れ、その上にまた太い葉を詰め込む。納茶の量は、急須と茶葉によって異なり、例えば鉄観音は急須の五分の二ほどで、黄枝香、大紅袍、水仙は八分までにする。一葉茶の場合、一本だけでいい。 |
ステップ3:聞声起羹(二回目の沸かし水)
「候湯」とも言う。蘇東坡の煎茶詩に「蟹眼已過魚眼生」との言葉があり、蟹眼と魚眼のような泡が出始めた水でお茶を作るのは最適だという意味。 |
ステップ4:高山流水
二回目の沸かし水を急須に注ぐ。ただし、急須の中心部へ直接に注がないことを要注意。やかんを高く上げれば、味わいの渋さがなくなる。 |
ステップ5:淋蓋刮沫
「春風拂面」とも言う。沸かし水をいっぱい入れたため、茶のあぶくが浮かび出してくる。左手で急須の蓋を、右手で急須を持ち、蓋であぶくを軽くこすり落とす。 |
ステップ6:里応外合
「淋罐」とも言う。急須に蓋を掛けてから、沸かし水を急須にかける。作用は:1、内と外の熱さで、茶葉の香りを速く発散させる。2、暫くしてから、急須表面の水分がなくなると、茶は熟になったしるしである。3、急須表面のあぶくを除去する。 |
ステップ7:貨如輪転
湯呑みを洗うこと。お茶を作るコースに最も芸術的な動きである―一つの湯呑みをもう一つの湯呑に挿しこみ、3本の指で摘みまわし、湯のみを洗う。これは儲けがどんどん入ってほしいとの意味もある。 |
ステップ8:関公巡城、韓信点兵(茶の湯を湯呑みにつぐ動作の喩え)
功夫茶の重要なステップである。コツ:湯呑みに注ぐ際、急須を低めにすること;速くすること;万遍なく湯呑みごとに注ぐこと;急須内の湯を残しなく注ぐこと。
一回目の茶の湯で湯呑みを洗ってから、今度はステップ3から再度進めることになる。 |
ステップ9:敬茶品茗
お茶の差し上げるマナー:左手の客様からにする。それは中国の伝統上、左は上である習慣のため。
湯呑みの持ち方:右手の親指と人差し指で湯呑みの上部を持ち上げ、中指で底部を支える。これは「三龍護宝」と呼ぶ。また、薬指と小指を人に指し向かなく縮こめ、相手への尊敬を示す。 |