蒙古族集中生活しているため、直轄市、省に並び自治区という行政(中国は自治区5つある)機関が設置されてある。区内の総人口は2300 万人超。区都は呼和浩特。
内蒙古自治区は中国北部の辺境地域に位置し、東西方向の直線距離は2,400キロ、南北方向の最大距離は1,700キロで、東北、華北と西北の三つの地区に跨っている。土地面積は118.3万平方キロで、国土面積の12.3%を占め、各省、直轄市、自治区のなかで3位となっている。東、南と西は八つの省(自治区)に隣接し、北はモンゴル、ロシアと境を接している。国境線の全長は4,200キロ。
蒙古族、漢族、満州族、回族、ダフール族、オウンク族、オロチョン族、朝鮮族など49の民族からなり、そのうち蒙古族は400余万人、漢族は1800余万人、その他の少数民族は90余万人。そのうち牧畜区内の人口は190万人近くいる。
自治区全体はほぼ高原の地形で、大部分の地域の海抜は1,000メートル以上である。内蒙古高原は中国の四大高原の中で二番目に広いものである。高原のほかに、山地や丘陵、平原、砂漠、河川、湖などの地形もある。
地理的位置と地形の影響により、温帯大陸性モンスーン気候を主とする複雑多様な気候が形成されている。春は気温が急上昇し、強風(黄沙)が吹く天気が多い;夏は短くて暖かく、降雨量が集中している;秋も短いが、古くから「天高く、馬肥ゆる」という美称を持つ;冬は長くて厳寒であり、雪害が発生しやすい。
区内の植物は合計2,351種余りあり、植生は喬木、灌木、草本植物などからなり、なかでも草本植物の分布面積がもっとも広い。野生動物の種類も多く、動物類は合計117種、鳥類は362種で、そのうちの49種が国と地区の重点保護動物、10種余りが貴重・希少動物に指定されている。
また、世界で確認されている140余種類の鉱産資源のうち、内蒙古には120種類以上が存在している。埋蔵量が中国一と確認されたものは5種類、全国ベスト10に入っているものは65種類である。そのうち、希土類資源の埋蔵量は8,459万トンで、世界の80%と中国の90%以上を占めている。すでに確認されている石炭の埋蔵量は2247.5億トンで、全国2位となっている。石油、天然ガスの埋蔵量はかなりのもので、すでに確認されている大型石油ガス田は13もあり、石油資源の総量は20―30億トンで、天然ガスの総量は10,000億立方メートルと推定されている。鉱産資源の埋蔵量(石油、天然ガスは含まない)の潜在的価値は13兆元に達し、全国の10%以上を占め、第三位となっている。
草原、森林の面積はそれぞれ全国の73%、15%程度を占めている。牧草生産及び交易量は盛んであり、日本までも輸出している。
北京―通遼鉄道、北京―包頭鉄道、包頭―蘭州鉄道などが東西の方向に走り、東北地方、華北地方と西北地方を結ぶルートとなっている。満州里とアルリエンホトは大型の陸上運輸窓口で、ロシアとモンゴル共和国に隣接し、ヨーロッパ諸国に直接通じる。
しかし、特殊な地理的条件がゆえに、自治区のかなり多くの地区の生態環境はかねてから厳しい状況におかれている。ここ数十年来、温室効果や非科学的開発利用などによって、干ばつや風による浸食、砂漠化、水土の流失がさらに深刻化している。砂漠化或いは潜在的砂漠化土地面積は自治区総面積の60%を占めているばかりか、毎年67万ヘクタールのスピードで広がっている。
牧草地帯の砂漠化、退化、アルカリ化によってここ数年、砂あらしが頻繁に発生している。東部の大興安嶺山地の水源涵養機能が衰え、松花江―遼河流域で水害が起こる環境的原因となっている。区内の黄河と西遼河流域区間だけで毎年の土壌流失量は3億トンに達し、3万ヘクタール余りの土地に相当する。それと同時に、土砂が河床に堆積し、河川の流れが止まることが加速されている。
生態環境を改善するために、内蒙古が西部大開発戦略を実施する「十大プロジェクト」の主要な「生態建設プロジェクト」がここ数年相次いで始動した。その中には農業区の耕地を森林(草地)に戻すプロジェクト、牧畜区植草休牧プロジェクト、国家生態重点県の建設プロジェクト、「三北」(東北地方、華北地方と西北地方のこと)防護林建設プロジェクト、防砂治砂プロジェクト、大興安嶺天然林保護プロジェクトと生態移民プロジェクトなどが含まれている。
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自治区内にモンゴル族を始めとする多民族文化、草原の景観、大興安嶺の原生林、黄河の景観、響沙湾、湖と温泉、ジンギスカンの陵墓、万里の長城、満州里国境貿易など観光資源が数多くある。 |
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