武当山は大和山ともいい、湖北省北西部の舟江口市にある中国有名な道教の山で、武当の拳術の発源地であり、古代建築群で内外にその名が知られている。武当山は周りが400kmもあり、72峰、36岩、24澗、9泉、8宮、2観などの景勝と古跡があり、主峰の天柱峰の海抜1612m、「一柱天」とたたえられている。風景は美しく、五缶の雄々しさ、険しさ、不思議さ、静かさ、秀麗さを兼ね備えている。また元と明時代の文化財と大規模の道教建築群があり、古代建築はいずれも点群結合の形をとっており、荘厳でかつ対称にし、前後が照応しあい、一線に連なり、互いに交錯し、適当に間をとるという総体的配置をとっている。明の長楽十年(1412年)から12年の時間をかけて、古代均州城の浄楽宮から武当山の天柱峰頂上にある金殿にいたるまでえんえん70km続く8宮、2観、36庵、72岩廟、39橋、12亭、10祠など膨大な道教建築群を完成した。主な遊覧地は玄岳門、元和観、遇真宮、玉虚宮、磨針井、復真観、紫霄宮、南岩、太和宮、金殿などがあり、そのうち、金殿と紫霄宮は中国重点保護文化財である。
紫霄宮は武当山のわりに完全な形で保存されている古代建築の一つで、天柱峰の北東にある展旗峰の下に位置し、明の永楽十一年(1413年)に建造されたものである。東天門を通って竜虎殿に入り、碑亭、十方丈、紫霄宮に沿って進むと父母殿に着く。主体建築の紫霄殿は三段の崇台の上に建てられ、間口は五間で、緑色の瓦を葺き、壁は赤く塗られ、ひさしが二重になっており、棟木が九本ある。建築は全体として華麗で立派である。
金殿は金頂という俗称があり、天柱峰の頂上に位置し、明の永楽十四年(1416年)に建てられ、高さは5.54m、幅は5.8m、奥行きは4.2m、木構造をまねた建築であり、土台には花崗岩が敷かれ、瓦、垂木、棟木、梁、門はすべて銅で鋳造した部材を組み立ててつくったもので、重さは80トン以上ある。二重ひさしで棟木がかさなり、翼角がそり上がり、棟木に仙人や禽獣があしらわれており、生き生きして本物そっくりである。金殿は中国古代の職人が身につけていた鋳造、組立て、めっきの技術と芸術がレベルの高いものであったことを体現しており、武当山のもっとも際立ち、もっとも代表性のある道教建築の一つである。金殿峰の山腹に紫金城があり、周りの城壁の長さは1.5kmあり、重さ約500kgもある長い石を崖にそって積み上げ、四つの方向に石を丹念に彫って日の出を見、夕方の雲海を見るのは、なんとも言えないすばらしい感じを覚える。