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黄    山
所在地:  安  徽
パターン:世界自然文化遺産
登録年:1990年
 
 
  黄山は安徽省の南に位置し、花崗岩石の高い山からなる山岳風景名勝区である。山体は雄大で珍しく、奇怪な形をした石はいたる所に立ち並んでいる。そのうち、蓮花(海抜1840m)、天都と光明頂など三つの主峰がある。風景の優れたこの雄壮な山は変幻きわまりなく、泰山の雄大さ、華山の険しさ、峨眉山の美しさ、衡山の雲、廬山の滝、雁蕩山の奇麗な石など、中国多くの名山の景観が集まっている。山峰は刀で切り取られたような形をしており、色は白い玉のように見える。
  黄山の美は「奇松、怪石、雲海、温泉」という「四つの絶品」にある。山の中は、一年じゅう雲が立ち込め、奇異、雄大、幻想、険しさという感じを人々に与える。絶壁の裂き目に生えている黄山の松は逞しくて力強い。中でも「迎客松」と呼ばれる一本は特に有名。黄山は雨量が多く、林木が生い茂り、霧が立ちこもり、自然景色が変化に富んでいる。主な景勝地には、北海、西海、天都峰、玉屏楼、雲名寺などがある。黄山は非凡な自然美をもって、「五岳から帰えて山を見ず、黄山から帰えて岳を見ず」と絶賛されている。
  黄山はまた「天下第一の奇山」「魔の山」「この世の仙人の世界」など最も美しい言葉で讃えられている。美しい自然風景に恵まれるだけでなく、奥深い中国文化もそなえている。山中に点在する古い街や古い橋、古い牌楼、古い村など多くの建築物群はそのユニークな風格と味わいによってながい歴史をもつ魅力的な黄山の文化を提示している。岩や絶壁に刻まれた200カ所余りの石刻は黄山の美しい自然の風景にさらに文化的趣きを添えるものである。黄山はまた宗教、特に道教と密接な関係をもっている。軒轅峰、容成峰などの山峰は道教の仙人の物語にちなんで名付けられたものだ。仏教も黄山に伝えられ、最も盛んな時は寺と尼寺が百もあった。世界文化遺産プロジェクトの実地調査を担当したサンサイル博士は、「黄山の美しい風景と自然に形成された文化は世界中で稀に見るものである」と評価した。


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