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秦の始皇帝陵と兵馬俑坑
所在地:  陝  西
パターン:世界文化遺産
登録年:1987年
 
  陝西省臨潼県から5km離れた東の所にある。中国初代の皇帝である、秦朝の始皇帝の陵墓。東側1.5kmの所には、三つの兵馬俑坑が発見され世界中の人々を驚かせた。
  「史記」の記載によれば、紀元前246年、趙政が即位して秦の皇帝になった間もなく、驪山に沿って陵墓の築造を始めたという。紀元前221年、秦は天下を統一した後、各地から集まった刑徒70万人を駆使して、陵墓の築造を続かせた。陵の前は川に面し、後ろに山をひかえ、風水(方位のこと)のとてもいいところだった。陵は内城と外城に分かれ、地上の建築物はもう跡形もない。陵墓が完成したときには、高さ120メートル、周囲の長さ2167メートルあまりあったが、二千年あまり経って、風や雨などに浸蝕され、破壊をこうむったので、現在の陵の高さは76メートル、周囲の長さは約2000メートルである。「史記」には次のような記載がある。「墓穴を深く掘り、地下水脈あたりまで至り、上部を打ち固め、棺を置いた。周りの壁に、日月星辰や山、川、地形の図が刻まれており、中には宮殿や官吏役人の席次までが記され、世にも稀な宝物があちこちに置かれている。墓穴に水銀を注ぎ、それを大河とみなし、ジュコンから絞り取った油を使った灯がずっと消えることなく燃え続けるようになっていた。要所にはさまざまな弓と矢などの武器が陰に仕掛けられ、盗掘者の侵入を随時くい止めることができるようになっていた。……」二千年あまり経って、さまざまな浸蝕にさらされたため、規模はかなり小さくなってはいるが、始皇帝の気迫は今でもうかがい知ることができるのだ。築造には36年間も続いていた。陵内は豪華を極め、珍しい宝物が至る所に満ちている。紀元前209年、秦の始皇帝はここで葬られた。現在、自動車道路から陵墓の頂までは石の階段がある。
  兵馬俑坑は、秦始皇帝陵の東1.5kmのところにあり、1974年、農民が偶然発見したものである。俑坑は全部で三つあり、そのうち一号坑の面積は1万4260uあり、その中に実物大の陶俑と陶馬約6000体、青銅製の兵器も四万件が埋められてあり、いままでに武士俑1000余体、戦車8両、陶馬32匹が出土した。すさまじい戦陣の構えで、人々を感嘆させるほどである。二号坑の面積は約6000u、陶俑と陶馬は合わせて約1300体あり、ほかに戦車が89両、歩兵、騎兵、戦車など三兵種が混合して編成された曲陣で、内容は一号坑より豊富で、秦俑の精華が集中しているところである。三号坑の面積は約376.64u、地下の大軍を統帥する指揮部で、武士俑68体、戦車1両、陶馬4匹ある。
そして、皆が感心させられるのは、出土した兵士の陶俑の高さは実物と同じくらいで、同じ顔をしているものが一つもないことだ。まさに精緻をきわめた芸術品である。陵墓の近くではさらに銅製の馬車や、珍しい宝物などがたくさん発見されている。



 
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